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【ぶんか】「八番札所長谷寺」は「西国観音巡礼」での始まりのお寺

【ぶんか】「八番札所長谷寺」は「西国観音巡礼」での始まりのお寺

【ぶんか】「八番札所長谷寺」は「西国観音巡礼」での始まりのお寺

「八番札所長谷寺」にお参りをしよう

「西国観音巡礼」はこのお寺から始まった

長谷寺… © Charlie_or_Y-N クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

1300年前の718年に、徳道上人という人が長谷寺をはじめました。
徳道上人は、閻魔様から極楽へ行くための通行証である「ご宝印(御朱印)」をもらって帰りました。
このことをきっかけに、「西国観音霊場」が始まりました。

しかし当時の人には受け入れられませんでした。 270年後の988年に花山法皇がもう一度「西国観音霊場」を始めました。

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一番札所だった時もありました

花山法皇がもう一度「西国観音霊場」を始めたあと、京都や奈良など近畿地方にいたプロの仏教の関係者(修行僧や修験者)が観音巡礼をやっていました。

日本の794年から1100年代の終わりまでを「平安時代」と呼びます。 この
平安時代が終わるころ、園城寺(三井寺)という寺に「覚忠」という名前の僧がいました。

▼園城寺(三井寺)

覚忠は、「西国観音巡礼」を始めた徳道上人ゆかりのお寺である長谷寺を、一番目の札所にしました。

また覚忠は京都の南部の宇治にある「三室戸寺」を三十三番札所にしました。

▼三室戸寺

その後1400年ごろから一般の人の巡礼が増えてきました。
そして西国巡礼は現在のような巡り方になりました。

一番札所は紀伊半島の南部にある「那智山青岸渡寺」、岐阜県にある「谷汲寺」が三十三番札所になりました。

注)現在「園城寺」は十四番札所、「三室戸寺」は十番札所になりました。

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長谷寺の魅力

建物の魅力

本堂

仏教ではその寺で一番尊敬される観音様の像を本尊と呼びます。
そして本尊を置く場所を本堂と呼びます。

長谷寺の本堂はとても大きく、日本で一番大きい木でつくられた本尊を置いています。

その他、有名な京都の「清水の舞台」に負けないくらい素晴らしい「舞台」があります。これは「国宝」です。
この舞台からは、お寺の全体が見えます。

また、日本の天然記念物である山や森も見ることができます。とても美しい景色です。

399段の登廊(階段回廊)、仁王門など

仁王門から本堂までのあいだに、399段の長い階段があります。この階段には屋根が付いています。
これを登廊と呼びます。

重要文化財とは、日本が選んだ、価値のある文化財のことです。
仁王門も日本の重要文化財です。

この階段は、石でできた階段です。 ゆるやかな階段なので登りやすいです。
階段をのぼる途中で、春も冬もぼたんの花が見えます。 そして左側には国宝の本堂を見ることもできます。

階段を歩いて登ることが難しい人は、
入口でお寺に話してみましょう。 お寺の人が本堂のそばまで車で送ってくれます。

仏像の魅力

本尊十一面観音立像

本堂に入ると右側に本尊十一面観音立像が見えます。
この仏像は「長谷寺式十一面観音(長谷型観音)」といいます。

木造の観音様のなかでは、日本で一番大きいです。
大きさは10メートル以上あります。

神奈川県鎌倉市の「長谷寺」には、とてもそっくりで「うりふたつ」といわれるほどの観音様がいらっしゃいます。

▼鎌倉市の「長谷寺」

 

花のお寺としての魅力

長谷寺は「牡丹の長谷寺」といわれるほど、牡丹がきれいにたくさん咲くことで有名です。

  • 牡丹
  • あじさい
  • 紅葉

などなど、季節によっていろいろな花が咲くので、
「花のお寺」としても有名です。

牡丹

4月中旬から5月上旬ごろ、登楼のまわりに赤やピンクの牡丹の花が咲きます。
このお寺には「花のお守り」という、牡丹の花のかたちをしているお守りもあります。 これは普通のお守りとは少し違います。

ちなみに、鎌倉にある長谷寺も「牡丹の長谷寺」として有名です。

4月中に少しづつ時期をずらしながら、
「しだれ桜」「そめいよしの」「奈良八重桜」などの桜を見ることができます。

寒牡丹

11月中旬から翌年の1月初旬まで、寒牡丹をみることができます。
雪でつぶれないように笠をかぶせます。笠の下で いっしょうけんめいに花を咲かせます。
春の牡丹とは違った姿です。

 

お参りをした後の楽しみ

山門を出ると、ゆるやかな参道に門前町が続きます。
山門とはお寺の門のことで参道とはお寺から続く道のことです。
このちかくではおいしいおかしや食べものを楽しむことができます。

草もち(草やきもち)

草もちは、あんこの入ったよもぎのもちです。
もちの両面を焼いていることが特徴です。
山門から一番近い場所にある「白瀧屋酒店」では、杵と臼でもちをつくっているところが見られる時もあります。
参道をもう少し下がった場所にある、「総本家寿屋」という名前のお店もとてもおいしいです。

長谷寺のホームページには、参道をもう少し下がったところにある「寶園堂」というお店が紹介されています。

その他のデザート、食事

日本には葛という名前の食べ物があります。
葛は植物からつくった粉です。

「吉野葛」を使って作った「くずもち」や、奈良名物の「柿の葉寿司」を食べることができます。

長谷寺への行き方(公共交通機関利用)

名古屋からは

  • 近鉄名古屋線・大阪線利用で2時間30分程度(乗り換え含む)
  • 名古屋~名張近鉄特急1時間40分
  • 名張~長谷寺約20分

京都からは

  • 近鉄京都線、大阪線利用で1時間30分程度(乗り換え含む)
  • 京都~大和八木近鉄特急約50分
  • 大和八木~長谷寺約10分

大阪(大阪難波)から

  • 近鉄難波線、大阪線約1時間(乗り換え含む)
  • 大阪難波~大和八木近鉄特急約30分
  • 大和八木~長谷寺約10分

関東や他の地域から行く場合は、名古屋、京都、大阪までの経路も考えてください。

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