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茶道ってなに?日本の抹茶の文化を知ろう!

茶道ってなに?日本の抹茶の文化を知ろう!

茶道ってなに?日本の抹茶の文化を知ろう!

この記事は、日本の茶道の先生が監修しました。

茶道で使う「抹茶」はどんなお茶?

お茶を飲む文化は世界中にあります。

それぞれの国や場所に、それぞれのお茶の文化があります。
例えば、イギリスには紅茶を飲む文化があり、中国には中国茶を飲む文化があります。
そして、日本人も、いろいろなお茶を飲みます。

「茶道」は日本に昔からあるお茶の文化です。
亭主が客をまねいて、お茶を点てます。

茶道では「抹茶」というお茶を使います。
抹茶はお茶の葉を粉にして作ります。

お茶の葉は「茶の木」という木の葉です。
「茶の木」はツバキ科の木です。
同じ木の葉で抹茶と緑茶と紅茶とウーロン茶ができます。
葉は同じですが、作り方がちがいます。

抹茶にするお茶の葉は、日をあてないでそだてます。
若くてやわらかい葉だけを使います。
葉をつんだらすぐに蒸して乾かします。

乾いたお茶の葉は、日があたらない涼しい場所におきます。半年たったら、石臼で細かい粉にします。その粉が抹茶です。

茶道の理念

茶道の文化は9世紀ぐらいに始まりました。
そして、16世紀に「千利休」という人がルールをまとめました。

茶道の理念は「和敬清寂」です。
4つの漢字ひとつひとつに意味があります。

  • 「和」は人とものと自然と季節のすべてが調和するという意味です。
  • 「敬」は人だけではなくて道具などの「もの」も敬うという意味です。
  • 「清」は心をきれいにするという意味です。
  • 「寂」は心を落ち着けるという意味です。

亭主は来てくれる客のためにいろいろなことを考えて茶室とお茶の準備をします。

お客さんはどんな人ですか?
今はどんな季節ですか?
どんな掛軸や花を用意しますか?
茶道具やお菓子はどれにしますか?

たくさん考えます。

亭主は心をこめてお茶を点てます。客は亭主に感謝してお茶を飲みます。亭主と客が相手のことを思いながら、一碗のお茶で楽しい時間を共有します。

茶道は日本のいろいろな文化といっしょに発展しました。
たとえば、茶道具には日本の伝統的な技術がたくさん使われています。
食べるお菓子も日本の伝統的な「和菓子」です。
茶道のために着物を着る人も多いです。長い歴史の中で発展した日本の文化が全部、いまの茶道の中にあります。

茶道の中にはいろいろな文化があります。ですから、茶道は日本の総合芸術です。

茶会の楽しみ方

亭主が客を茶道でもてなすひとときを「茶会」といいます。
茶会だけではなく、日本のお寺や庭園で抹茶が飲める場所もあります。


お菓子といっしょに500~1,000円くらいで飲むことができます。

茶会に行くときや抹茶を飲むときの楽しみ方を勉強しましょう。

テーマや季節を感じよう

茶会にはいつもテーマがあります。

たとえば、日本の伝統行事を祝ったり、だれかの長寿を祝うための茶会があります。
日本の春、夏、秋、冬それぞれの季節を楽しむための茶会もあります。

亭主は茶会のテーマをよくあらわしている掛軸と花とお菓子と茶道具を茶室に用意します。

客は茶室に入ったら、最初に床の間にある掛軸と花を見ます。
掛軸には茶会のテーマをあらわす言葉が書いてあります。
季節の花も楽しんでください。
亭主が使う茶道具やお茶碗からも季節のようすが伝わります。
お菓子も茶会のテーマや季節に合った形や色をしています。
食べる前によく見て楽しみましょう。

五感で感じよう

五感は人がもつ五つの感覚です。

  • 「視覚」は見て感じることです。
  • 「聴覚」は聞いて感じることです。
  • 「嗅覚」はにおいをかいで感じることです。
  • 「味覚」は味を感じることです。
  • 「触覚」は触って感じることです。

茶室に入ったら、五感をぜんぶ使ってたくさんのことを感じてください。

たくさんのことを感じるためには、心を落ち着けて毎日の生活のことは忘れましょう。

釜のお湯が沸く音が聞こえますか?
お茶とお香はどんなにおいですか?
お菓子は何色で、どんな味がしますか?
両手にのせたお茶碗はどんな感触ですか?

一期一会

「一期一会」は茶道でとても大事な言葉です。

「一生に一度だけのひととき」という意味です。
まったく同じ茶会は二度と できないです。
同じ人たちと来年の同じ季節に同じ場所で集まっても、それは別の茶会です。

そのため、亭主も客もその一生に一度だけのひとときを大切にします。

点前を楽しもう

茶道にはお茶を入れて飲むためのいろいろなルールがあります。
なぜ家でお茶を飲むように、ただお茶を入れて飲むだけではだめですか?

それは亭主と客が一緒によいひとときを過ごすためです。

お茶を点てるやり方のことを「点前」といいます。

亭主は点前をしながら気持ちを落ち着け、心をきれいにします。
亭主はていねいに茶道具を使って、客においしいお茶を出すことだけを考えてお茶を点てます。

客は亭主が点前をするようすをよく見て、亭主の気づかいを感じます。
お茶は感謝の気持ちでいただきましょう。

お菓子

お菓子はお茶を飲む前に全部食べます。
お茶を飲みながらお菓子を食べません。
茶道ではお菓子を食べるときはお菓子に、お茶を飲むときはお茶に集中します。

亭主が「お菓子を食べてください」と言ったら、客はお菓子を食べます。

そして、お菓子を食べたあとでお茶を飲みます。
甘いお菓子の味が口の中に残っていると、お茶がもっとおいしくなります。

お茶の飲み方

亭主はお茶ができたら、客にお茶碗の正面をみせるようにして客の前におきます。

お茶碗はコーヒーカップとちがって、持ち手がありません。
両手で包むように大切に持ってください。
そうすれば落とす心配がなく、安心してお茶を飲めます。

客はお茶碗を手に持ってすこし時計回りにまわして、正面ではないところに口をつけてお茶を飲みます。
正面に口をつけないのは、客の謙虚な気持ちと尊敬の気持ちをあらわしています。

最後にお茶碗に残ったお茶を飲むときは「すっ」と音をたてましょう。
音をたてることで、亭主にお茶がおいしかったことが伝わります。

世界の茶道

現在は日本だけではなくて世界中でたくさんの人が茶道を学んでいます。

日本にはいくつかの茶道のグループがあります。
その中の1つの「裏千家」は「一碗からピースフルネスを(Peacefulness through a bowl of tea)」というスローガンで世界中の人に日本のお茶の文化を紹介しています。

「和敬清寂」の「心」を大切にして世界中の人と一緒に一碗のお茶を飲むことで、心が近づいて、平和な世界をつくることができると考えています。

The Urasenke Chado Tradition
http://www.urasenke.or.jp/texte/index.html

最後に

茶道にはルールがたくさんあってたいへんだと思いますか?
大切なのは感謝の気持ちと人を大切に思う心です。
あまり心配しないで茶会に行って、お茶を飲んでお菓子を食べて、楽しいひとときを過ごしてください。

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